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訪問歯科の費用はいくら?保険適用・自己負担額をわかりやすく解説

「訪問歯科を施設に導入したいけれど、ご入居者さまの費用負担が心配」「通院と比べて高額になるのでは?」——訪問歯科診療に興味はあっても、費用面の不安から導入をためらっている施設関係者やケアマネジャーの方は少なくありません。

結論からお伝えすると、訪問歯科診療の基本費用は保険診療です。医療保険に加えて介護保険も適用されるため、ご入居者さまの自己負担は想像されているよりも抑えられます。交通費や出張費も一切かかりません。

この記事では、訪問歯科にかかる費用の仕組み、自己負担額の目安、保険の適用範囲まで、わかりやすく解説します。


訪問歯科で使える保険の種類

訪問歯科診療では、医療保険介護保険の2つが適用されます。

医療保険(健康保険・後期高齢者医療)

むし歯の治療、歯周病の治療、入れ歯の作製・修理、抜歯などの「歯科治療」に適用されます。通常の歯科医院で受ける治療と同じ保険制度が使えますので、特別な手続きは不要です。

訪問歯科の場合、通常の歯科治療費に加えて「歯科訪問診療料」という訪問にかかる費用が加算されます。これは、歯科医師が施設へ出向くための費用として保険で認められているものです。

健康保険の場合は、一般の医療保険の一部負担金と同じ扱いになります。後期高齢者医療(75歳以上)の場合は、医療費の1割(または現役並み所得の方は3割)が一部負担金となります。

介護保険(居宅療養管理指導)

居宅系施設にご入居されている方の場合、口腔ケアや口腔機能の管理指導については、介護保険の「居宅療養管理指導費」として算定されます。歯科医師による管理指導と、歯科衛生士による口腔ケア指導がそれぞれ算定対象です。

なお、歯科治療そのものは医療保険、口腔ケアや管理指導は介護保険と、同じ訪問の中でも適用される保険が異なります。

費用に関する重要なポイント

訪問歯科の費用について、施設関係者の方に特にお伝えしたい3つのポイントがあります。

ケアプランの限度額「枠外」です。 居宅療養管理指導費は介護保険の適用ですが、ケアプランの対象となる支給限度額の「枠外」扱いとなります。つまり、訪問歯科を導入しても、ご入居者さまの他の介護サービスの利用枠を圧迫することはありません。これは施設としても安心して導入できる大きなポイントです。

交通費・出張費は一切かかりません。 施設への訪問にかかる交通費や出張費は、ご入居者さまにも施設にも一切ご負担いただきません。

医療費控除の対象です。 訪問歯科の費用は、他の医療費と合わせて医療費控除の対象となります。

自己負担額の目安

自己負担額は、ご入居者さまの年齢や所得によって異なります。

後期高齢者(75歳以上)の場合、一般的な所得の方は医療費・介護費ともに1割負担です。現役並み所得の方は3割負担となります。

前期高齢者(70〜74歳)の場合は原則2割負担、現役並み所得の方は3割負担です。

1回あたりの自己負担の目安(1割負担の場合)

以下は訪問歯科診療1回あたりの自己負担額の一例です。あくまで目安であり、実際の費用は治療内容やお口の状態によって異なります。詳細は診療時に歯科医師にご確認ください。

初診時(検査・診査)は、歯科訪問診療料+初診料+検査で、1割負担の方でおおよそ1,500〜2,500円程度です。

むし歯の治療(1本あたり)は、治療の内容にもよりますが、1割負担で500〜2,000円程度です。

歯周病の治療(歯石除去など)は、1割負担で500〜1,500円程度です。

入れ歯の作製は、部分入れ歯か総入れ歯か、使用する材料によって異なりますが、1割負担で2,000〜10,000円程度(型取りから完成までの合計)です。

入れ歯の調整・修理は、1割負担で500〜2,000円程度です。

口腔ケア(居宅療養管理指導)は、歯科衛生士による口腔ケア・指導で、1回あたり1割負担で300〜360円程度です。

※上記はあくまで一例です。実際の費用は治療内容やご入居者さまの状態により異なりますので、詳細は診療時に歯科医師にご確認ください。

月額の費用イメージ

新聖会の基本的な訪問パターン(歯科医師月2回+歯科衛生士月4回)で診療・口腔ケアを受ける場合の月額自己負担のイメージです(75歳・1割負担の場合)。

治療期間中は、治療内容にもよりますが月額3,000〜6,000円程度が目安となります。治療が完了し、定期的な口腔ケアのみになると、月額1,500〜3,000円程度にまで抑えられます。

※こちらも一例です。ご入居者さまの口腔内の状態や治療内容により変動しますので、詳細は診療時に歯科医師にご確認ください。

具体的な費用例

定期訪問の中でよくあるケースの費用をご紹介します。いずれも一例であり、実際の費用は異なる場合があります。詳細は診療時に歯科医師にご確認ください。

ケース1:入れ歯の調整(80歳・女性・1割負担)

グループホームのスタッフから「入れ歯が合わなくて食事が食べにくいようだ」とのご相談。定期訪問時に入れ歯の調整を2回にわたって実施したケースです。

1回目(検査+調整)の自己負担は約2,000円、2回目(調整+口腔ケア指導)は約1,200円。合計約3,200円で入れ歯の不具合が解消されました。

ケース2:歯周病の治療と定期口腔ケア(78歳・男性・1割負担)

介護付き有料老人ホームの入居者で、歯ぐきの腫れと出血が気になるとのことで施設スタッフからご相談。定期訪問の中で歯周病の治療を3回にわたり実施し、その後は月4回の歯科衛生士による口腔ケアを継続しているケースです。

治療期間中(3回分)の合計は約5,000円。治療完了後の歯科衛生士による定期口腔ケアは月額約1,500円程度です。

ケース3:むし歯治療+新しい入れ歯の作製(85歳・男性・1割負担)

むし歯3本の治療と、古い入れ歯を新しく作り直したケースです。

むし歯治療(3回)が合計約3,500円、入れ歯の作製(型取り〜完成まで4〜5回)が合計約8,000円。治療全体で約11,500円でした。その後は定期的な口腔ケアに移行しています。

高額療養費制度も利用できる

月ごとの医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合は、「高額療養費制度」により超過分が払い戻されます。訪問歯科の費用も医療保険分はこの制度の対象です。

厚生労働省の制度に基づき、75歳以上・一般所得の方の場合、月の医療費自己負担の上限は18,000円(年間144,000円上限)です。複数の医療機関にかかっている場合は合算できますので、他の通院費と合わせて上限を超えた分は還付されます。

出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

費用に関するよくある質問

Q. 訪問歯科は通院するより高いですか?
治療そのものの費用は通院とほぼ同じです。訪問診療料が加算される分、1回あたり数百円〜千円程度多くなりますが、通院にかかる介護タクシー代や付き添いスタッフの人件費を考えると、施設としてのトータルコストはむしろ抑えられるケースが多いです。

Q. 生活保護を受けているご入居者さまの場合は?
生活保護を受給されている方は、医療扶助の対象となり自己負担はありません。介護保険の居宅療養管理指導についても、介護扶助の対象です。

Q. 施設として費用負担が発生することはありますか?
施設側の費用負担はありません。費用はご入居者さま個人の保険適用となります。施設としては、訪問歯科を導入することでご入居者さまの口腔環境が改善し、誤嚥性肺炎の予防や食事摂取量の向上といったメリットが期待できます。

Q. 費用の明細はもらえますか?
はい。月ごとにまとめた明細書をお渡しいたします。医療保険分と介護保険分の内訳が記載されていますので、ご家族への報告にもご活用いただけます。

Q. 無料検診だけでもお願いできますか?
はい。新聖会ではご希望の施設に無料検診を実施しています。まずはご入居者さまのお口の状態を把握するところから始めることも可能です。余裕を持ってご相談いただけますと幸いです。


まとめ

訪問歯科診療は、医療保険と介護保険が適用される保険診療です。交通費・出張費は一切かからず、介護保険分はケアプランの限度額「枠外」のため、他のサービスに影響しません。1割負担の方であれば口腔ケア1回あたり数百円から利用でき、施設側の費用負担も発生しません。

新聖会では、施設と提携のうえ、歯科医師月2回・歯科衛生士月4回の定期訪問を通じてご入居者さまのお口の健康を継続的にお守りしています。費用面でのご質問もお気軽にどうぞ。余裕を持ってご相談いただけますと幸いです。

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