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訪問歯科とは?介護施設で受けられる歯科診療を徹底解説

「施設に入居している方の歯が痛そうだけれど、通院させるのが難しい」「ご入居者さまの入れ歯が合わないようだが、どこに相談すればいいのかわからない」——介護施設のスタッフやケアマネジャーの方から、こうしたご相談をいただくことは少なくありません。

加齢や認知症、身体機能の低下などにより歯科医院への通院が困難な方のために、歯科医師や歯科衛生士がグループホームや介護付き有料老人ホームなどの施設に訪問して診療を行う仕組みが訪問歯科診療です。

厚生労働省の調査によると、要介護高齢者の約9割に何らかの歯科治療や専門的口腔ケアの必要性があるとされていますが、実際に歯科診療を受けている方はごく一部にとどまっています。「訪問歯科という選択肢を知らなかった」という施設関係者の声も多く聞かれます。

出典:日本訪問歯科協会「訪問歯科の現状」

この記事では、訪問歯科診療の基本的な仕組みから対象となる方、診療内容、利用の流れ、費用まで、施設スタッフやケアマネジャーの方にもわかりやすく解説します。


訪問歯科診療とは

訪問歯科診療とは、歯科医師・歯科衛生士がグループホームや介護付き有料老人ホームなどの介護施設に直接訪問し、歯科治療や口腔ケアを行う医療サービスです。「往診」と呼ばれることもありますが、正式には「歯科訪問診療」といいます。

通常の歯科医院で行う治療の多くを、ポータブル(持ち運び可能)の歯科機器を使って施設内でも実施できます。むし歯の治療、歯周病の治療、入れ歯の作製・調整、口腔ケア、さらには嚥下(飲み込み)機能の評価やリハビリテーションまで、幅広い対応が可能です。

高齢化が進む日本では、訪問歯科診療のニーズは年々高まっています。しかし、厚生労働省の調査では、訪問歯科診療を実施している歯科医院は全体の約18%にとどまっており、要介護高齢者全員に毎月の予防ケアを届けるために必要な水準のわずか3.6%しか充足していないのが現状です。

出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会「歯科医療(その1)」

訪問歯科の対象となる方

訪問歯科診療は、通院が困難な方を対象としたサービスです。介護施設に入居されている方の多くが対象に該当します。具体的には、以下のような方が挙げられます。

身体的な理由で通院が難しい方として、要介護認定を受けている方、寝たきり・車椅子生活の方、脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症がある方、骨折やリハビリ中で外出が困難な方が挙げられます。

認知機能の低下により通院が困難な方には、認知症と診断されている方、付き添いがあっても通院が困難な方が含まれます。

なお、訪問歯科診療には訪問可能なエリア(歯科医院から半径16km以内)の規定があります。対象エリアについては、各歯科医院にお問い合わせください。

診療内容——治療・口腔ケア・嚥下検査まで幅広く対応

訪問歯科診療では、ポータブルユニット(移動式の歯科診療機器)を使用することで、歯科医院とほぼ同等の治療を提供できます。主な診療内容をご紹介します。

むし歯・歯周病の治療

むし歯の進行を止める処置や、歯周病(歯槽膿漏)の治療を行います。歯石の除去、歯周ポケットの清掃、抜歯なども施設内で対応可能です。高齢者に多い「根面う蝕(歯の根元にできるむし歯)」の治療にも対応しています。

厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査」によると、歯ぐきに歯周病の所見がある方の割合は40歳以上で約4割以上にのぼります。介護施設に入居されている方の場合、ご自身でのブラッシングが十分にできないことも多く、歯周病が重症化しやすい傾向があります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病と全身の状態」

義歯(入れ歯)の作製・修理・調整

「入れ歯が合わなくて痛い」「食事がうまく噛めない」といったお悩みは、施設入居者の方にとても多く見られます。訪問歯科では、新しい入れ歯の作製はもちろん、現在お使いの入れ歯の調整・修理も行います。入れ歯が合わないまま放置すると、食事量の低下や栄養不良につながるため、定期訪問時に早めにご相談いただくことが大切です。

口腔ケア(専門的口腔清掃)

歯科衛生士による専門的な口腔ケアを行います。日常の歯磨きでは取りきれない汚れを除去し、口腔内の細菌数を減らすことで、むし歯や歯周病の予防だけでなく、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

特別養護老人ホームの入所者を対象に行われた研究では、歯科医師・歯科衛生士による専門的な口腔ケアを実施したグループは、実施しなかったグループと比べて肺炎の発症率が約40%低下し、肺炎による死亡リスクも約半分に抑えられたことが報告されています。

出典:日本老年歯科医学会雑誌「口腔ケアと誤嚥性肺炎予防」

摂食嚥下障害の評価・内視鏡検査

食べ物や飲み物が飲み込みにくい、食事中にむせることが増えた——こうした嚥下(飲み込み)機能の低下に対して、評価と検査を行います。嚥下内視鏡検査(VE検査)を施設内で実施し、飲み込みの状態を正確に把握したうえで、日常生活の留意点やリハビリメニューをご提案します。なお、摂食嚥下の機能評価検査のみのご依頼も承っています。

口腔リハビリ・摂食指導

「食べる力」を維持することは、全身の健康維持に直結します。訪問歯科では、口腔機能を維持・回復するためのリハビリテーションを行うとともに、施設スタッフの方に対して日常の食事介助に関するアドバイスも行っています。

訪問歯科の流れ——提携から定期訪問まで

新聖会の訪問歯科診療は、施設と提携し、定期的な訪問を通じてご入居者さまのお口の健康を継続的に守るスタイルです。以下のような流れで進みます。

ステップ1:お問い合わせ
施設のスタッフやケアマネジャーの方から、お電話にて最寄りのクリニックへお問い合わせいただきます。まずは施設の状況やご要望をお聞かせください。

ステップ2:無料検診・ご説明
ご希望の方には無料検診を実施します。ご入居者さまのお口の状態を把握し、治療計画や口腔ケア計画を立案。施設との提携内容や費用についてもご説明いたします。

ステップ3:提携・定期訪問の開始
施設との提携が決まりましたら、定期訪問を開始します。基本的に歯科医師が月2回、歯科衛生士が月4回訪問し、適切な治療や口腔ケアを提供します。患者さまの楽な姿勢で治療を受けていただけます。

ステップ4:継続的な口腔管理
治療終了後も、誤嚥性肺炎や心筋梗塞などの予防のために定期的な口腔ケアを継続します。口腔ケア時にお口の状態をチェックし、新たな不具合が見つかった場合は定期訪問の中で適切な治療を施します。

このように、定期訪問をベースとした継続的なケアにより、問題の早期発見・早期対応が可能となり、ご入居者さまの口腔環境を長期的に良好に保つことができます。

費用と保険適用について

訪問歯科診療の基本費用は保険診療です。医療保険に加え、介護保険も適用されます。

健康保険の場合、一般の医療保険の一部負担金と同じ扱いになります。

後期高齢者医療の場合、医療費の1割(または3割)が一部負担金となります。

居宅系施設にご入居されている場合は、居宅療養管理指導費が介護保険の適用となります。

費用に関して押さえておいていただきたいポイントは以下の通りです。介護保険が適用されますが、ケアプランの対象となる限度額の「枠外」になるため、他の介護サービスの利用枠を圧迫しません。他の医療費も含めて医療費控除の対象となります。そして、交通費および出張費等の費用は一切いただきません

※費用の具体的な金額は治療内容により異なります。詳細は診療時に歯科医師にご確認ください。

新聖会の訪問歯科の特徴

医療法人社団新聖会は2002年に設立され、主にグループホームなどの施設に入居されている方々を対象とした訪問歯科診療を提供しています。施設と提携し、歯科医師が月2回・歯科衛生士が月4回の定期訪問を行うことで、ご入居者さまのお口の健康を継続的にお守りしています。

5つのクリニックによる広域対応
高木歯科クリニック(さいたま市)、けやき台歯科クリニック(所沢市)、すみれデンタルクリニック(足立区)、元住吉デンタルオフィス(川崎市)、戸塚デンタルオフィス(横浜市)の5拠点から、各医院より半径16km圏内の幅広いエリアで訪問歯科診療に対応しています。埼玉・東京・神奈川の広い範囲をカバーしています。

熟練した訪問歯科専門チーム
訪問歯科に特化した歯科医師・歯科衛生士がチームで対応します。認知症の方への対応経験も豊富で、一人ひとりの健康状態や生活スタイルに合わせた治療プランをご提案します。

充実した診療体制
訪問診療用の治療器具を完備し、院内と同等の治療を施設内で受けていただけます。嚥下障害が疑われる方には内視鏡による機能評価検査も実施しています。

施設スタッフとの連携を重視
ご家族や施設スタッフと連携して最適なケアを実現します。定期訪問時に日常の口腔ケア方法をお伝えし、施設全体の口腔衛生環境の向上を支援します。


まとめ

訪問歯科診療は、通院が困難な施設入居者の方にとって、お口の健康を守るための大切な医療サービスです。むし歯や歯周病の治療だけでなく、入れ歯の調整、専門的口腔ケア、嚥下機能の評価・リハビリまで、施設内で幅広い対応が可能です。

特に、歯科医師・歯科衛生士による定期的な訪問を通じた継続的なケアは、問題の早期発見と予防に大きな効果を発揮します。

「ご入居者さまの口腔ケアに課題を感じている」「施設に訪問歯科を導入したい」——そうお感じの施設関係者・ケアマネジャーの方からのお問い合わせを承っております。施設の状況に合わせた最適なご提案をいたしますので、余裕を持ってご相談いただけますと幸いです。

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